エンジンがかかってきた話【鑑賞「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」】

前作はピンとこなかったんだけど、今作はグーッとノリが良くなった快作でした。

【作品紹介】
シリーズ累計興行収入1兆円突破、全世界No.1の記録を打ち立てた、『アベンジャーズ』シリーズのマーベル・スタジオ。その輝かしい正統派ヒーローたちの歴史に、最もヒーローらしくないヒーロー・チームが殴りこみ!常識破りで誰より自由、ヒーローと呼ぶにはあまりも頼りない、銀河一ヤバい愛されヤンキー・ヒーロー・チーム…その名は“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”。正義なんかクソくらえ!過激な個性がぶつかり合う、この宇宙の落ちこぼれ達を突き動かすのは、カネとその場のノリ。今、懐かしのゴキゲンなヒット曲に乗って、ユニークすぎる戦いが、ノリと笑いで銀河を揺らす!
【ストーリー】
“スター・ロード”ことピーター・クイルをリーダーに、凶暴なアライグマのロケット、マッチョな破壊王ドラックス、ツンデレ暗殺者ガモーラなど、たまたま出会ったノリで結成された宇宙の“はみ出し者”チーム、<ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー>。小遣い稼ぎに請けた仕事をきっかけに、強大な力を持つ“黄金の惑星”の指導者アイーシャ率いる無敵艦隊から総攻撃を受け、彼らの宇宙船ミラノ号は壊滅寸前に…。間一髪、ガーディアンズを救ったのは“ピーターの父親”と名乗る謎の男エゴと、触れただけで相手の感情が分かる能力を持つマンティスだった。仲間からの忠告にも関わらずエゴに魅了されていくピーターの姿を見て、次第にチームの絆に亀裂が…。 そこへ“ピーター育ての親”ヨンドゥが率いる宇宙海賊の襲撃や、さらに銀河全体を脅かす恐るべき陰謀が交錯していく。はたして、ピーターの出生に隠された衝撃の真実とは? そして、彼らは絆を取り戻し、銀河を救うことが出来るのか? その運命の鍵を握るのは、チーム一小さくてキュートな、ガーディアンズの最終兵“木”グルートだった…。

公式サイトより)

前作の感想で「メンバーが会話でなく行動で『仲間』になったのがいい。主人公ピーター・クイルに感情移入できなかった。次回作ではドラックス以外の内面を描いてほしい」と書いておりました。今作はまさにドンピシャ。ピーターの父親・エゴが現れ、彼の出自が話の中心になってました。「父殺し」というオーソドックスな展開なのだけど、人として必ず訪れる成長への通過儀礼でもあるわけで、主人公の成長には不可欠。ピーターに感情移入しやすい構造でした。だからって父を倒すときにあんなキャラクターに変身せんでもと思うわけだが。バカじゃないの?(注・褒めてます)

5人の仲間意識と個性を冒頭のアクションシーンで見せるのもうまい。小さなグルートを邪険にしないところにメンバー間の絆を感じさせました。タイトルが出た場面で心掴まれ、後半でピーターが「父殺し」を決意するときにフラッシュバックする仲間たちとの思い出に泣ける。メンバー5人、ピーターとエゴ(とヨンドゥ!)、ガモーラと妹・ネビュラなど、キャラクターの関係を追うと家族の絆というテーマが浮かび上がる。遠くの親戚より近くの他人、ですw。

表紙がイカす特別版パンフレット!

前作で違和感を感じた往年のヒット曲の使い方も今回はバッチリ。映像としての見た目の楽しさを補強し、作品テーマとの関連性も強かった。冒頭から流れる(セリフでも詞について語られる)のが米ニュージャージー州出身のロックバンド「ルッキング・グラス」の1972年のヒット曲「ブランディー」。「この曲知ってるわ、誰が歌ってるのかは知らんけど」程度の印象しかなかったポップナンバーだけど、今作を見てしまったらもう心に焼き付いてしまうことまちがいなし。音楽が本当に重要な要素になっていました。

と、そんなことを思いながら鑑賞後ポスターを改めて見たら、ピーターが左手の光線銃より高々と掲げた右手にソニーのウォークマンを持っていたのに気づいた。大事なオモチャを持ってカメラの前でキメてるみたい。子供か。バッカじゃないの?(注・絶賛しています)

前作ほど話の中心ではなかったものの、ドラックスも豪快さでいい味を出していた。ロケットの毒舌も笑えたし。仲間でワイワイ言いながら戦うメンバーたちが見ていて実に楽しい。マーベルの映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」でチームプレイの楽しさを打ち出したのがこの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズと今作ではっきり理解しました。「アベンジャーズ」はあくまで即席の、いわばドリームチーム、球技スポーツにおけるナショナルチームみたいなものなので。

パート3も予定されているそうなので、今作でちらりと登場した某大物俳優の見せ場も増えるかもしれません。エンジンがかかってきた感じですね。思春期になったグルートにも期待w。