「かわいい」は省略の中にという話【鑑賞「原田治展 かわいいの発見」】

みやざきアートセンターで2024年1月28日まで開催中の「原田治展 かわいいの発見」見てきました。

ミスタードーナツの景品やカルビーポテトチップスのパッケージに描かれたキャラクターで有名なイラストレーター。「anan」創刊時からイラストを描いて注目を集め、その後の活躍は先述の通り。ある一定の世代から上は「知ってる」「持ってた」「持ってる」という馴染み深い人です。

制作の際は「かわいいの中に寂しさや切なさを隠し味として入れていた」とのこと。その絶妙な塩梅を、お手本にしていたアメリカンカルチャーの中に感じ取ったんでしょうねぇ。依頼主の要望に応じて5種類くらいのパターンで絵を描き分けられたそうだから、才人はやはり違う。子供の頃に描いた風景画からして「これくらい描けたら気持ちいいだろうなぁ」と思ってしまう上手さ。晩年住んだ離小島のアトリエも素敵でした。省略の美を感じた展覧会でした。