僕らはみんなドラマチックな話【鑑賞「THIS IS US」】

いやぁ…(溜息)。シーズン1全18話、やっとの思いで見終わりました。

【作品紹介】
恋愛、家族、仕事…。人生の岐路に立つ36歳の男女のせつなく心温まる物語。生きているって大変だけど、すばらしい! 国を超えて誰もが共感でき、勇気づけられる! 涙と笑いと感動のヒューマンドラマ。アメリカで大ヒットした話題作が日本初登場!
誕生日が同じ36歳の男女3人。自分が演じる役に嫌気がさしているイケメン俳優、“脱肥満”を目標に努力する女性、幸せな家庭を築いているエリートビジネスマン。置かれている状況も性格もまったく異なる彼らには、同じ誕生日以外にも共通点があった…。それぞれが人生の壁を乗り越えようとする中で、大切なものを見つけだす。そして、3人の運命の糸がたぐりよせられる。
日本語版でケヴィンの声を演じるのは、海外ドラマ吹き替え初挑戦の高橋一生。

NHKオンラインより)

最近海外ドラマ見てなかったなー、と軽い気持ちで第1話を見たらいきなり打ちのめされた。何に打ちのめされたかというと、劇中ショッキングなエピソードやドラマチックな場面が起こらなかったにも関わらず感動しちゃったことに打ちのめされたのだ。

綴られるのは「(アメリカのドラマなので)こんな出来事はアメリカのどこかで起こってそうだなー」という複数のエピソード。一見するとそれぞれ地味な内容。そんな複数のエピソードが最後で重なった途端、非常に劇的な感動を呼ぶ。登場人物の台詞に味わいが増す。構成の妙ですね。普通の話しか語られていないのにジーンとしてしまうので、見終わると毎回ぐったりしてしまうw。なので見るのには気合が必要。複数回続けて見るのは無理でした。

海外ドラマとしては地味だけど、日本のドラマと比べるとリッチな内容だな、とは思う。日本なら登場人物の独白で済ませそうなところを一本のエピソードとして描くのだから。出演者がその分増えるし撮影も必要だ。でもその分、普通のドラマなら一度限り登場のチョイ役と思われる人のバックグラウンドも描かれ、ドラマに厚みが増しているのだ。色々な人が生きているんだよなぁという当たり前のことを再認識させてくれる。

各エピソードの繋げ方も自然で、それが見る側にいい緊張をくれる。上質な映画を見ているかのような気分になる。日本のドラマなら字幕や編集でつなぎ目をはっきりさせがちな気がするけれど、見る側に親切すぎやしないかな。親切すぎると感動の押し付けにも繋がるんだよねー。

このドラマの登場人物はみなどこかにいそうな人だし、主な舞台もドラマが起こりそうな病院や捜査機関ではない。ましてやゾンビや宇宙人など出てこない。それでもこのドラマを見てしまうと否応でも自分の暮らし、人生も振り返ってしまう。今の自分があるのも過去のちょっとした出来事の積み重ねで、自分の人生も見方によっては結構ドラマチックなのかも、と。

アメリカでも評判でシーズン3までの製作が決まり、現在シーズン2が放送中。日本でも早く放送してくれー。