アートは接着剤だった話【鑑賞「冨永ボンド展」】

芸術は誰にでも開かれている、と再認識しました。

みやざきアートセンターで2017年3月5日まで開催中の「冨永ボンド展」を見てきました。

冨永ボンドは木工用ボンドで絵を描く画家。独自の画法はニューヨークやパリのアートフェスで注目され、現在は佐賀県佐久市の「ボンドバ」を拠点にライブペイントやアートセラピーなどで活躍しているそう。

初めて聞いたアーティストでしたねぇ

会場に展示している作品は「人間」をテーマに、顔、指、神経など様々なモチーフを採用。特に「顔」は気絶した人を描いたそうだけど、ファンキーでサイケデリックな作風が非常にクール。

もともとCDジャケットデザインからアートの世界に入ったものの、クラブイベントではデザイナーはすることがないのでライブペイントを始めたそうなので、音楽との関連が強いんですね。会場で流れるプロモビデオの音楽も、クラブイベントが落ち着いた時に流れるような、涼しげでスタイリッシュな曲でした。

前衛的な感じがいいですね

色使いに都会的なクールさはある一方、「ボンドアート」自体については「誰でもできる、失敗のないアート形式」と自ら定義しているのが興味深い。キャンバスに色を塗って、黒く着色した木工用ボンドで境目を縁取るだけ、なのだから。

しかし出来上がった作品はステンドガラス作品に似てちょっと高級さがあるのがこの技法の特徴かも。安っぽさがないんですね。

応援の意味でiPhoneケースを購入^_^

画家本人は色使いで勝負しつつ、一般の人はおろか福祉施設とも「ボンドアート」で連携、拠点「ボンドバ」はアトリエや作品販売の他、週一回のバー営業もしているそうで(行ってみたい…)個人で完結するのでなく周囲と繋がろうとするスタイルも新鮮。「つなぐ」というコンセプトと創作活動が高いレベルで一致してると感じました。

今回が初の個展だったそう。企画したアートセンターも挑戦的ですね。期間中に

大作を公開制作してましたが、あの作品、センターのどこかに常設展示されるといいなぁ。入場無料なので行ける方は是非。