人生は自転車に似ていた話【書評「メンタルが強い人がやめた13の習慣」】

アメリカの心理療法士が身近な人を亡くす体験を機に「自分だけがひどい目に遭っている」という思いから脱しようとつくったリストに基づく一冊。自分のメンタルを強くするためにやめるべき13の習慣を挙げていく。

<内容紹介>
全米で話題のセルフヘルプ決定版、邦訳! 「メンタルの強い人」はそれが最悪の状況だろうと人生最大の危機だろうと、なんとか切り抜ける方法を知っている。誰もがもっている13の思考習慣をやめれば、折れずにしなるレジリエンスな生き方ができる。
<内容(「BOOK」データベースより)>
メンタルが強くなれば、最高の自分でいられる。主婦から兵士、教師からCEOまで役立つ、新しい心の鍛え方。
<著者について>
エイミー・モーリン
メイン州のニューイングランド大学でソーシャルワークの修士号取得。ハーバード大学のジャッジベーカーチルドレンセンターをはじめ、学校、コミュニティ、病院などでサイコセラピストとしてキャリアを積む。現在はライターでもある。

(以上、アマゾンの書籍紹介ページより)

著者が挙げる「メンタルを強くするためにやめるべき13の習慣」は

「自分を憐れむ習慣」
「自分の力を手放す習慣」
「現状維持の習慣」
「どうにもならないことで悩む習慣」
「みんなにいい顔をする習慣」
「リスクを取らない習慣」
「過去を引きずる習慣」
「同じ過ちを繰り返す習慣」
「人の成功に嫉妬する習慣」
「一度の失敗でくじける習慣」
「自分は特別だと思う習慣」
「すぐに結果を求める習慣」

こうして挙げてみるとダブっている内容もある気がするけれど、イントロダクションで著者が述べる「あなたの一番悪い習慣が、あなたの価値を決めている」という指摘にはどきっとさせられる。

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Kindle版は表紙がそっけないなぁ

そしてこれらの悪い習慣をやめることで人はメンタルが強くなる、すなわち理想的に変わる、と著者は一貫して述べる。

この本では目的とされる人間像は明示されない。しかし読んでいくと、どこかにある理想像を目指してそこに届くか否かが大事のではなく、今の自分を常に見つめ良い状態を維持することが大事なのだと気がつく。

自転車は漕ぐのをやめるとふらつき転倒する。転倒しないためにペダルをもう一度ぐっと踏み込んで速度を保つことで車体は安定していく。いつしか身に付いてしまった悪い習慣を今ここからやめ、繰り返さないことが良い人間への第一歩なのだ。

でもまた繰り返してしまうかもって?そんな時はこの本から著者のこの一言を贈ります。

まっとうでないことや実りのないことに10年も費やすより悪いことがあるとしたら、10年と1日を費やすことではないだろうか?

どうでしょうこの言葉、重いなぁ…!

メンタルが強い人がやめた13の習慣
エイミー・モーリン
講談社
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