時代を超えるものという話【鑑賞・大浮世絵展、大友克洋ポスター展】

IMG_0994上京話の続きです。滞在2日目は2つの展覧会を見て参りました。

一つは江戸東京博物館でこの日が最終日だった「大浮世絵展」、もう一つは恵比寿で今月16日まで開催中の大友克洋のポスター展。

「大浮世絵展」は浮世絵の誕生から発展(昭和の錦絵まで)を紹介、大友克洋ポスター展は特殊印刷で作られた作品を中心に展示。時代こそ違え、どちらも一般向けに広まったアートという面では共通してました。

で、あと一つ共通していたのが、絵と一緒に書かれた言葉の「古さ」でした。浮世絵に書かれた言葉が読めないのは時代が違い過ぎるからだけど、大友克洋のポスターの中にも「これは…」と苦笑してしまったキャッチフレーズがあった。絵自体は今でも鑑賞に堪えるのに。

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絵より言葉が表現力として劣る、と比較するのはそもそもナンセンスだし、(小説とかならいざ知らず)言葉もまずは、同じ時代を生きている人にちゃんと届かなくてはいけない。浮世絵もポスターもメーンは絵の方で、同じ紙に書かれた言葉は添え物なのだろうし。でもなぁ…。

「(小説とかならいざ知らず)」と先述しましたが、言葉は時代が経つとどんどん変わっていき意味が通じなくなる。現代語に翻訳しつづけないと意味が伝わらない。絵も(大浮世絵展で見せてくれたように)時代によって表現方法は変わっていくし、描かれた背景を理解するには言葉が必要なんだけど、絵の方が時代を超えて伝わる力があるのかな。そんな表現の特性について考えた2つの展覧会でした。