着飾ることは生きる力、なのかも。
宮崎市のみやざきアートセンターで2017年10月22日まで開催中の「ファッションデザイナー 鳥丸軍雪展」を見て来ました。
鳥丸軍雪(とりまる・ぐんゆき)氏は1937年、宮崎県小林市生まれのファッションデザイナー。「軍雪」という珍しい名前はおそらく、お父さんの「軍二」、お母さんの「雪」から1字ずつ取ったんでしょうねー。
軍雪氏は小林市の中学校を卒業後、滋賀県の高校でテキスタイルを学び上京。東映動画でアニメ映画「白蛇伝」制作に携わったのち(!)渡英。ピエール・カルダンのアシスタントデザイナーになり、1986年、ダイアナ元英国皇太子妃が来日した際に着たロイヤルブルーのドレスを製作したことで注目を集めました。今年10月まで全国コンサート中の五輪真弓さんの衣装も手がけたそう。そんなスンゴイ人がよりによって日本人で宮崎県出身とは知らなんだ。
会場には氏が所有するドレスや黒柳徹子さんの衣装、デザイン画、東映動画時代時代の資料などを展示。ドレスはドレープやプリーツを多用、デザイン画にはダイアナ妃のほかマイケル・ジャクソンの衣装プランもあったことがわかる。
男性目線で見る限り、展示されている服には全く縁がない。着てみたい、とは思わない。でも華やかさ、優雅さは十分伝わります。むしろ「男の服ってジャケット+シャツ+パンツっていうパターンばかりだよなぁもっとこんな風に変化がつけられんのかい」とうらやましくさえ思ってしまった。
会場では軍雪氏と仕事をした外国人スタッフや黒柳徹子さんなど軍雪氏のドレスを持っている人のコメントが上映されていた。そこで思ったのは服を着る意味。「軍雪氏のドレスが似合うよう、いつまでも若くいなくちゃ」という言葉が心に残りました。
勝負服、という言葉があるけれど、会場に展示されているのはまさにそれ。着ることで気持ちが上がることって男女問わず確かにある。「これでいいや」という後ろ向きな思いでは、着ても元気にはならんですわね。せっかく着るなら「これがいい」と思えるものを着て毎日を前向きに過ごしたい。服にはそんな力があるはず。
この企画展のことを初めて聞いた時、はっきり言って「誰この人?」と思いました。いやぁ、すごい人がいたもんですね。今回の展覧会が日本国内では初とのこと。国内巡回したら面白そうだなー。