色もいろいろという話【鑑賞「カラフル展」】

高鍋美術館で2017年7月2日まで開催中の「カラフル展」を見てきました。

高鍋美術館は面白いねー

「宮崎アーティストファイル」シリーズ第3弾。過去2回の「ガール」「リアル」と比べ「カラフル」がテーマだと単調になりがちだけど、会場にはモノクロームの作品もあり変化をつけていました。「色のない作品にどんな色が見えるか?」という問い掛けと解釈しました。

いわゆる「王道」なのが池部貴恵(宮崎市)、松田舞(宮崎市)の二人か。セロハン貼り絵の伊藤有紀恵(宮崎市)もシンプルさが印象に残りました。

一方、先述したモノクロームの絵を出品したクリストファー・トラウトマン(都城市・米テキサス州)など男性陣はテーマ「カラフル」を拡張するような作風が目立った。五十川和彦(都城市)はアクリルの箱の中に服を入れ、服の色をぼんやりと外部に漏らしている。色だけを抽出する試みというところでしょうか。

そして今回のゲストアーティスト・儀間朝龍(ぎま・ともたつ/沖縄県)。今回のキービジュアルにもなっているのだけど、切り抜いたダンボールの型にダンボールの表面の色がついた部分をモザイクのように貼り付けて作品にしている。スマイルマークやキャンベルスープ缶、企業ロゴをその色通りに再現しているのだけど、少しずつ色味を変えることで鮮やかなのに古びた感じ、くすんだ感じもある。制作工程のビデオも上映されていて、キャンベルスープ缶の縁も少しずつ色味のパーツを変え、貼り付けていく細かい作り方に感心しました。少しずつ色味を変えるところに個性が出るんですねー。

選択が自分を作る。「カラフル」の多様な解釈を感じさせるイベントでした。