人間は虫ケラ以下だった話【鑑賞「キングコング:髑髏島の巨神」】

誰もが持ってる男の子魂(?)にグイグイ刺さる一本でした。

【作品紹介】
今回のキングコングは、とにかくデカい。31.6メートルの体長は過去に映画に登場したコングのなかでも最大級!冒頭から武装ヘリを腕のひと振りで弾き飛ばし、巨大怪獣とのバトルでは殴り、つかみかかり、引きちぎる!スピードとパワーを備えた超リアルなアクション映像がアドレナリンを放出させる、暴走!アクションアドベンチャー超大作。
【ストーリー】
未知生命体の存在を確認しようと、学者やカメラマン、軍人からなる調査隊が太平洋の孤島“スカル・アイランド(髑髏島)”にやって来る。そこに突如現れた島の巨大なる“守護神”キングコング。島を破壊したことで、“彼”を怒らせてしまった人間たちは究極のサバイバルを強いられる。しかし脅威はこれだけではなかった。狂暴にしてデカすぎる怪獣たちが、そこに潜んでいた!この島では、人類は虫けらに過ぎない…そう悟った時は遅かった。なすすべもなく逃げ惑う人間たち。彼らがやがて知ることになる、島の驚くべき秘密とは!? 果たして調査隊は、島から脱出することができるのか!?

公式ホームページより)

深みがあるお話ではありません。オリジナル版のような切ない結末もなし。そんなものハナから期待しちゃいない。怪獣たちが画面狭しと大暴れしてバカな人間たちをぶち殺してくれれば満足なのです(ヒドイ)。3Dで見た甲斐もあるってものです。吹き替えキャストのGACKTにだけは納得いかなかったが。彼はタフでも汗ひとつかかないイメージがあるんで、ジャングルの中を右往左往するキャラクターの声には合ってないんだよなぁ。どっちかというと宇宙服を着た戦士のイメージなんで。そもそも声の存在感もありすぎて結局最後までずーっとGACKT。違和感が残りました。

ウチのネコもあくびをするとき、こんなカオをしますw

納得しまくったのはコングに一歩も引けを取らなかったサミュエル・L・ジャクソン。馬鹿な人間の代表として大活躍、んもうどっちが人か大猿かわからんかったぞサミュエル。目力最高サミュエル。あの場面のために起用されたんだろうなぁサミュエル。信頼の証サミュエル。っていうか、この手の映画に出すぎだろサミュエル…DCEUにも出てね!お願い!

作品の舞台がベトナム戦争終結直後なのがちょっと新鮮。作品のトーンとして、古く懐かしい印象が出ましたね。過去の東宝特撮映画やハリウッド映画を見直しているようでもある。島に謎の部族が暮らしている設定なども一昔前の雰囲気でしたね。

一方で作中には今の日本文化の影響を感じさせる部分もあったのが興味深いところ。大蛇に前足がついたようなコングの宿敵「スカル・クローラー」はアニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン(旧劇場版)」のエヴァ量産型に似てる…と思ったら、鑑賞後読んだパンフで監督がしっかり言及してましたw。宮崎駿「千と千尋の神隠し」のカオナシもモチーフなのだそう。プロローグで旧日本軍の兵士が登場するし、何よりエピローグですよ。どうやらマジでアイツらを登場させるつもりだな。

でもアイツらのうち、すでにリブートされたアイツ含め、コングとキャラクター設定が被り気味なのがいるんだけど、その辺はどうするつもりなのかしら。深く考えず楽しめばいいのかしら。そもそもこの「モンスターユニバース」、人間は添え物でしかなさそうなのでMCUやスター・ウォーズのようにストーリーを楽しむものでもない感じだし。原作も事実上ないから自由に話をつくれる分、話の連続性とかこだわらず、好き勝手に怪獣を暴れさせればいいと思います。でも怪獣の設定だけはオリジナルを尊重して欲しいなぁ。