(完全版)引き継ぎ引き継がれる話【鑑賞「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」】

もう好きなように書いていいよね公開から結構な日が経過したので…!

最近3D版でも見たので、2回見た感想を。公開直後に書くと野暮だった点も含め「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の感想を書いておくのです。

【あらすじ】銀河帝国は崩壊したが、その残党「ファースト・オーダー」と共和国から支援を受けるレジスタンスとの戦いは続いていた。そんな中、最後のジェダイ、ルークは姿を消した。ルークを探すファースト・オーダーとレジスタンス。居場所を示す地図はドロイドのBB-8に託された。ファースト・オーダーの脱走兵フィンと砂漠の星ジャクーに住む少女レイはBB-8と共にミレニアム・ファルコンを駆って逃避行をすることになる。そんな2人を捕まえたのはハン・ソロとチューバッカだった…。

この新3部作でちょっと残念な点は、敵が帝国の「残党」という設定。「話のスケールは旧エピソード以上にはなりません」と宣言したような気がする。使う武器は旧帝国以上になってはいるけども、むしろギャップが生じたような。

話に夢中になると3Dかどうか気にならなくなるんだなぁ
話に夢中になると3Dかどうか気にならなくなるんだなぁ

戦う相手も共和国支援下の「レジスタンス」。旧敵の残党と独立部隊の戦いという設定は既視感があるなと思ったら「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」と似てるんだな。旧設定を生かしてその先の話をなるだけリアルに書こうとするとこうなるしかないのかも。

いずれにせよ、新3部作はキャラクター間の関係を楽しむような話になるのでしょう。そうなるとまた気になる点が。それは「敵キャラの名前に迫力が足りない」ことです。

「カイロ・レン」に「スノーク」…うーむ強さが感じられん。濁音が欲しかった!だって旧シリーズは「ダース・ベイダー」に「ドゥークー伯爵」「グリーヴァス将軍」などなどと濁音入ってましたよ。

再びガンダムを引き合いにしちゃいますが、ガンダムの富野由悠季監督は「主人公が乗るロボットには絶対濁音を入れる」と話しておりました(「そうしないと玩具が売れん!」と説明してたかなw)。英語圏では気にならんのかもしれんけど、少なくとも日本語圏の人間としては残念なんですよねー。

特に敵方の親玉が「スノーク」って…。大概の人が思ったろうけど「ムーミンかよ!」とやっぱり思いました。

でも今作、良い点ももちろんあるわけです。

まずはカイロ・レン。思春期の少年のような性格描写が目立ちましたが、それが「こいつ何をやるかわからん」と思わされる。今作のクライマックスのような破滅的行動を次回作以降もとるか、あるいは改心していくのかが見どころになっていくのでしょう。

弱さと強さを兼ね備えたレイは魅力的だし、生き残りに必死なんだけど正義感もあるフィンも非常に親近感が持てました。そしてBB-8。これほど表情豊か(?)なドロイドがあったろうか。子猫っぽいんですよね。まさかの「いいね!」にハートわしづかみでしたわ実際。

そして何と言ってもエピローグ!2回見て2回とも泣けたw。ひとっことも喋らんのに表情だけで今作のエモーショナルな部分をほとんどすべて持っていったマーク・ハミル最高。2回目に見て気づいたが、その表情が出る直前、決意を示すようなレイの表情もまた最高です。「この2人、やはり…?!」と思わせて終わる、過去6本ではなかった次回作へ強い「引き」をもたせたエンディングでした。

過去6本はどれも一区切りついたところで本編を終わらせ、次作ではポンと時間が飛んだところから話が始まっていたけれど、次回作エピソード8はひょっとしたら今作の直後から話が始まるのかもしれないなぁ。

父親から受け継ぐことができず成長したルークは、自分が与える立場になった今、下の世代に引き継がせることに失敗してしまった。ルークやレイアら大人たちからレイ、フィン(レイとともにジェダイを目指すんだろうなきっと!)、そしてレンにどう引き継いでいけるか、若い世代たちは何を引き継ぐのか。

とまぁ、こんな視点で来年12月公開予定のエピソード8を待ちたいと思います。その前に今年の年末はスピンオフ「ローグ・ワン」だな!