新たなヒーローを見た話【鑑賞「アントマン」】

んもうなんだよこれ、面白いじゃん!

「アイアンマン」「ソー」「キャプテン・アメリカ」などマーベルヒーローたちと世界観を同じにする「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」シリーズの最新作。身長を自由に縮められ、アリを操るヒーロー「アントマン」の活躍を描いた作品。すでに単独の続編の製作も決まったそうです。だろうね〜

【あらすじ】服役を終えたアダム・スコットは、仕事も家庭も失い絶体絶命。まっとうな人生を歩もうとするが前科者に世間の風は冷たい。やむなく昔の悪友たちの誘いに乗り、とある屋敷に忍び込み金庫を華麗に開けてみせるが、金庫の中には奇妙なスーツとヘルメットがあるだけだった。とりあえず盗み出し着てみると、急に身長がアリ並みに縮んでしまった!そしてヘルメット越しに話しかける謎の男の導きで窮地を脱したものの、その男はスコットが忍び込んだ家の主人ハンク・ピム博士だった。彼はスコットに、驚異の“スーツ”を着用し、想像を絶する特殊能力を持つ“アントマン”となるよう依頼する。最愛の娘のために<猛特訓を開始した彼は、本当のヒーローとなれるのか?

ラテンっぽい曲が映画全体に「あっ軽い」雰囲気を出してました。
ラテンっぽい曲が映画全体に「あっ軽い」雰囲気を出してました。

とはいえアナタ、よりによって名前が「アリ人間」ですよ(失笑)。見た目も正直古臭い。普通っぽいライダースーツにヘルメットはグロ気味だし。本当に面白いのか?…と思ってたんですよ。まぁ映画を見るまでは酷い名前だと思っていた(けど映画を見たらファンになった)「鉄人間(アイアンマン)」の例はありましたがねぇ…と思ってたんですよ。

いやぁ面白かったねぇ〜次回作が楽しみだこりゃ!

金持ちでもない天才でもない急に能力が身についたわけでもない、普通の人間(結構身は軽いし電子工学もかじっているけれど)が努力してヒーローになるのは、確かにMCUでは新機軸。主人公の取り巻きがオバカなのも変化が付いているし、なによりアントマンの戦いにかっこよさとバカっぽさが同居しているのが映画として素晴らしい。

身長1.5センチの超人2人が子供部屋で戦うクライマックスはハラハラ&爆笑。普通だったら「ここでドカーン!(大爆発)」「ここでバシャーン!(大飛沫)」という見せ場になるシーンが、この映画ではそうならず、むしろ真逆の爆笑シーンになってしまうのが実に実に素晴らしい。

主人公スコットと行動を共にする取り巻きたちも、オバカではあるが憎めないキャラクターなのも楽しい。演出と演技の妙ですね。敵アジトに忍び込むため気絶させた相手を最後には助けちゃうし、なによりスコット自身、スーツの力に驚いて一度は返そうとするイイ奴(小心者?)なのが素晴らしい。

MCUというシリーズに含まれることを生かして他の映画に登場したヒーローがゲスト出演してくれたり、次回作への引きもしっかり組み込んでいたり、かつ、ヒーロー映画では珍しい(漫画ではあるけど)主人公が「2代目」という設定も目新しくて素晴らしい。

そしてエピローグ、ダメ人間だったスコットが娘や前妻、前妻の新しい夫などといい関係になっているのもほっとさせられる(えげつないペットが1匹増えていたけれど)。

映画を見ている途中から「今度実際にアリを見たら、背中にアントマンが乗っていないか確かめねば!」なんて思わせてくれたりもして。そういう現実との地続き感はほかのMCU作品にはちょっとない。いやあ実に楽しい作品でした。

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」では作品自体は楽しめたものの、MCUについていくのも大変だと思っていたけれど、また追う気が出てきましたよ。MCU侮りがたし…。