出したい自分は簡単には出ない話【鑑賞・岡田武史が見たFIFAワールドカップ】

結局日本戦以外の試合はまともに見なかったのだけど、こういった特集番組だけは見てしまう自分のような人ってサッカーファンなのかなんなのか、よくわかんないです。

NHK-BSで放送されたこの番組、内容はサッカー前日本代表監督・岡田武史氏が見たブラジルW杯、という…タイトルそのまんま、ですね。

印象的だったのは、岡田氏が、日本が勝てなかったことにがっかりしながらも、日本の攻撃について「(状況を打開するために)たとえばミドルシュートを打つとか(できなかったんでしょうか)…?」というインタビュアーの質問に「誰がするの?」と逆質問したところ。今回の日本代表は陣形をコンパクトにしてパスで相手陣営に切り込んでいくスタイルなので、相手ゴールから離れたところからシュートを打つような選手はいないってことでした。

岡田氏は日本の実力はあったと認めつつ、結果を出す方法は限られていることを認識していた。個人でも団体でも、結果を最も出しやすい形はいくつもあるわけじゃない。っていうか、普通そんなの一つだけで、この場合それを「自分たちのサッカー」と呼んでいたわけで。

一方で岡田氏は決勝トーナメントでの他国の闘いぶりを「必死だった」「最後まで諦めなかった」と評していたのも印象に残った。

今回の日本代表は「自分たちのサッカーをすれば結果は出る」的なことを言っていたようだが、実際には難しかった。型が見つかったことで手応えを感じていたのだろう。

個人的に、何かを「必死にする」のと「自分たちの型を出す」のは矛盾することだと思いこんでいた気がする。必死になるには型にこだわらず、型を出そうとするには冷静でなければ、と。でも違ったのかもしれない。

自分に型があるというだけでは不十分で、本番で型を出すにはとてつもない精神力も必要なのだろう。頭と心の使い方のヒントになった…気がします。