成長しながら結果も欲しい話【鑑賞「日本代表“新戦法”への挑戦」】

サッカー日本代表が戦術を確立しようとする姿を描いたNHKスペシャル「攻め抜いて勝つ~日本代表 “新戦法”への挑戦~」は、色々考えさせられる内容でした。

イタリア人監督ザッケローニ率いるサッカー日本代表。目指す戦術はフォワードからディフェンスまでのラインをコンパクトに保ち、攻撃に人数をかけるというものだ。しかし攻撃力は増したものの、ディフェンスラインの裏をかかれると一転してピンチになるという欠点も突かれる。親善試合で失点が減らない現状に選手たちが出した結論は…

人間の思考態度には、自分の成長を自分自身で邪魔してしまう「固定された思考態度」と「成長する思考態度」がある、とネットで見た。

それによると、「固定された思考態度」は根本に「自分をよく見せたい」という欲求があるため、失敗する可能性がある挑戦を避けたがる。一方「成長する思考態度」は「学びたい」という欲求から始まるため、挑戦を喜んで受け止め高い成功レベルへと到達できる—のだそうだ。

先述した番組内での選手たちの話し合いの中で、失点を減らしたくて「守備にも人を割くべきだ」というディフェンス陣に対して、攻撃陣は「日本の闘い方をここで変えては今後に何も残らない」と目先の結果にこだわらないよう訴えたのが印象に残った。

日本代表も「固定された思考態度」と「成長する思考態度」の間で揺れたんだろうな。

番組放送日にはブラジルW杯前、最後の強化試合があった。4−3で勝ってもメディアは「守りが不安定」と評価していたが、番組を見たあとでは「今の日本代表の戦術では『守りが不安定』なのはリスクとして当然なの!」と思ってしまう。今の日本代表はもっと目標を高いところに置いてるの!

…がしかし、世の中には「ここは絶対結果を出したい」という場面もある。戦術を貫いても結果が伴うとは限らない。「日本代表は自分たちの闘い方を貫いたんだから予選敗退でも仕方ない」ともならないだろうし。勝ってこそ「日本の闘い方はこれだ」となるわけで。

番組では前回南アフリカ大会で本番直前に守備重視の戦術に切り替えたことに「自分たちのスタイルを貫けなかった」と選手たちの間に忸怩たる想いが残ったことも伝えていた。守って負けないチームではなく、攻めて結果を出すチームになれるか。これ、サッカーに限らず、すべての組織に求められることだと思うんです。

日本代表の初戦は15日。果たして…